ウェブマガジン カムイミンタラ

2001年09月号/第106号  [ずいそう]    

女性が働くということ
佐々木 身智子 (ささき みちこ ・ インフォネット株式会社IT事業推進本部副本部長)

「原始女性は太陽であった」

私の好きな平塚らいてうの言葉です。同居している義母は、私のそんな気持ちを知っているはずはないのに、出張から帰ってくると必ず「ママが帰ってきて家に太陽がもどった」と言ってくれます。

「女性が働くということ」と改めて言う時代ではなくなっているのかもしれませんが、私が順調にキャリアを積み重ねることができたのは、私を支えてくれた周囲の協力・助力によるものとありがたく思っています。

私は、社会に出て19年になりますが、ずっと情報処理業界で過ごしてきました。その間、会社は3度変わりましたが、現在の会社がいちばん長くなりました。結婚して14年、2人の子供にも恵まれました。一子の時に3カ月間、二子のときに6カ月間の産休をのぞいて、ずっと働いてきました。

今年の春、次男が小学校へ入り、一息ついた感じです。通算13年間、子どもが熱を出した、授業参観があるなどと、有給休暇を使い果たしてしまうほど、会社には多大な迷惑をかけてきました。勤務先の社長からは、私が休暇を言い出しにくくしているたびに「無理をするな。人生の中ではあっという間だ、子どもを優先に」とあたたかい励ましの言葉がありました。職場の近くの保育園に預けていましたが、情報処理の仕事は、時間どおりに終わらないことが多く、お迎えの時間に間に合わなくなって、同僚にお迎えを代わってもらったり、事務所の中で子どもを遊ばせてもらいながら仕事を続けてきました。会社のみなさんの協力で、無事に保育園を卒業できたようなものです。

子どもにしてみれば、両親が働いていることで、寂しい思いもたくさんしてきたと思います。私は仕事を途中にして帰ることが出来ない性格のため、約束した時間を3時間も遅れて家に帰ることもありましたし、1人で留守番をしている小学生の長男が、9時になっても夕食にありつけない日もありました。そんな生活を良しとしていたわけではなく、私自身、辛かったり悩んだりすることもありましたが、「子どもは親の一生懸命な姿を絶対理解してくれる」「コミュニケーションは時間の長さではない」と信念を持ち続け、頑張ってきました。

今年から義母に無理を言って月曜日から金曜日まで同居してもらっています。それまでは夕暮れてくると仕事と家庭と気持ちが引き裂かれるようで落ち着かなかったものですが、今は少し落ち着いて仕事に取り組めるようになりました。新たな資格取得のため長期で研修に出られるのも、家族が理解してくれることと、会社のみなさんが応援してくれるおかげだと思います。

結婚に踏み切れないでいる女性や出産を断念している女性たちも、ぜひ信念を持ち、チャレンジしていただきたいと思います。前向きな生き方は、きっと周りから十分な協力を得ることができるに違いありません。この場を借りて私を支えてくれたみなさんに改めて感謝の気持ちを伝えるとともに、頑張っている女性たちへエールを送り、また周りの方々に協力をお願いしたいと思います。

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