ウェブマガジン カムイミンタラ

2001年11月号/第107号  [ずいそう]    

金融アセスメント法案の制定を目指して
国吉 昌晴 (くによし まさはる ・ 中小企業家同友会全国協議会専務幹事)

政府が公的資金を金融機関に注入したにもかかわらず、中小企業への貸出しは緩和されるどころか、「貸し渋り」「貸しはがし」現象は続いています。さらに、小泉政権が声を大にして進めようとしている不良債権処理は、生きている企業の息の根を止める恐れが大です。金融庁は、来春4月に予定されている「ペイオフ解禁」に備えるように金融機関を指導する姿勢を崩してはいません。また、「金融検査マニュアル」による企業の一律評価も、大企業と中小企業の格差を無視した「ものさし」であり、中小企業に密着する金融機関ほどその機械的運用に批判的です。

米国には、地域再投資法(1977年制定)があります。起業家支援、スムーズな事業承継、再挑戦できる社会づくりを柱に据えて、中小企業と地域の活性化を願う金融機関とが手を携えることを促進させる法律です。

中小企業家同友会全国協議会(加盟全国44都道府県同友会に約4万中小企業経営者会員)は、創立以来「よい経営者になろう、よい会社にしよう、よい経営環境をつくろう」を合言葉に、経営指針の確立など学びと活動を進めてきました。さらに今は「激変消滅」とも言われる産業構造が大きく変わっていく時代で、視野を広げて事に臨むことが求められています。各地学習機会の積重ねを経て、本年定時総会で「金融アセスメント法(地域と中小企業の金融環境を活性化させる法律案)」制定を求める運動に本格的に取り組むこととなりました。「金融アセスメント法」は、地域再投資法をモデルに、地域や中小企業へ各金融機関がどれだけ円滑に資金供給をしているかを公的に評価(アセスメント)・公表し、その結果金融機関の資金配分を中小企業と地域にむけさせ、地域を活性化させようとする内容のものです。

現在、私たちは「ペイオフ解禁再延長または実行猶予」も含めた国会請願署名運動に取り組んでいます。地方自治体からも賛同決議が生まれており、幅広い支持が形成されつつあります。

◎このずいそうを読んで心に感じたら、右のボタンをおしてください    ←前に戻る  ←トップへ戻る  上へ▲
リンクメッセージヘルプ

(C) 2005-2010 Rinyu Kanko All rights reserved.   http://kamuimintara.net