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2002年07月号/第111号  [ずいそう]    

私とサックス
奈良岡 明憲 (ならおか あきのり ・ 奈良岡音楽教室)

私がサックスを始めたのは、高校3年の時です。そして何とかサックスを吹いていきたいとの思いで、何も知らないまま東京の音楽大学を受験しました。受験は、やっと合格させてもらったという状態でした。16歳の時に心臓の手術をしていた為か、体が大変きつかったのですが、上手くなりたい一心で練習をしました。

音楽大学卒業後はサックスで食べていこうと思いました。その後結婚し、家族が増えるとわかった時には、なお一層上手くなって家族を養っていきたいとがんばりました。しかし、楽器を持って駅の階段を上れない程体調が悪くなり、ついにドクターストップ。演奏活動を止めて、故郷の札幌に帰りました。「再びサックスを吹くことは無い」と思いながら、出産を控えた妻と2人で、親に借金をしながらの無職無収入生活が始まりました。

しかし、北海道の自然の中でゆっくりとできた私は、徐々に体が回復し、またサックスが吹けるようになり、生徒を育て、演奏活動もできるようになりました。徐々にですが、生徒も増え、仕事も増え、順調に20年たった7年前に、体調をくずし、2度目の心臓の手術を受けました。入院中は「医学の進歩」に驚き、又「入院中の気分転換の必要性」を考えさせられました。

その後今までの活動の他に、病院での音楽療法に関わる機会に恵まれ、患者さん達に喜んでもらえるという幸福を頂くようになりました。

現在、元気に活動できるのは、生徒や周りの人に恵まれた事もありますが、北海道の自然と「サックスを吹いていきたい」という気持ちからだと思います。これからも80歳までサックスを吹いて、人生を楽しみたいと思います。その為には、自分の健康管理・適度な運動と食事が必要です。

人との競争、比較ではなく、自分なりの演奏を80歳過ぎまでしていきたいと思います。

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