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1986年01月号/第12号  [ずいそう]    

先祖の血と働き
井上 良次 (いのうえ りょうじ ・ (株)光合金製作所会長)

私の祖父は1896年にマッチの軸木の工場を建てた。今の苫小牧の植苗や、支笏湖の近くの丸山あたりだったらしい。この丸山は父の話ではマッチ軸木には最良のドロの木一色であったそうだ。

しかし、この祖父は父の養父で、実父の系統は、佐渡金山関係である。

そんなわけで、父は苫小牧に居つき、王子製紙のお蔭を蒙った。

私は母方の因縁で小樽に住みつき、不思儀なことに銅合金の仕事になった。

先祖の血がそうさせるのか、金属関係の仕事をしていると何となく気分が良い。毎日楽しく仕事をさせてもらっている。

ところで、年頭の巻頭言といったことで一言。ヤマト言葉では「はたらく」というこは、「はたを楽にするということだそうだ」と小学校の先生に教えられた。

私の人生でこのくらい、ためになったことはない。どうせやるならイヤイヤながらでなく、積極的に気合を入れてやることだと悟ったからだ。なんと、これは本業に限ったことでもないようだ。先祖の血と、はたらくとの結合は、人生を楽しくするものである。

鈴木健二さんの言葉ではないけれど、これがわかれば人生哲学は卒業生の部類か。

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