政府は金が欲しいため工業に力を入れ、たくさんの働きざかりの若者たちが地方から工場へ送り出されました。その工業に力を入れることができたのも、すぐれた製品を生み出すことができたのも、日本には綺麗な水が豊富にあったからこそと聞いております。
その綺麗な水が豊富にあるのは、自然豊かな森や畠があればこそ。そこに行政は気がついているのでしょうか。その頃、大学教授、評論家など、いわゆるところの文化人は、金にならない農業はいらない、と言っていたそうです。
「米喰えば馬鹿になるなどとおどかして、大学教授何に媚うる」という当時の農家の人が作った短歌があります。国のためならと、働きざかりの若者を工場に送り出し、ふと気がついてみると荒れ果てた森や畠。自分が食べるだけの野菜を少し植え、病院へ行きたくてもバスは毎日来ない、と嘆く老人だけが残っていたその過疎化は、北海道でも進んでいます。行政は、その過疎化をどう防ぐかではなく、冷たく切り捨てるだけ。道東ではたくさんの鉄路が消えております。バス転換も長くは続かず、ますます過疎化が進んでおります。
無い袖は振れないと冷たく横を向く今の知事に頼っていては、銀河線は消えてしまう、と私たちは立ち上がりました。通学生、病院などに通う高齢者の足を守ることはもちろんですが、過疎化を防ぎ、豊かな自然を子や孫に残すためにはぜったいに必要なこの銀河線を、みんなで守ろうと燃えています。
線路をはずすのに30億円、バス転換に20億円、そのお金はもっており、ほかに不動産が20億円余り。それだけの財産がありながら、そして銀河線の経営を引き受けようという民間の人たちの申し出も拒否。少しでも早く線路をはずして高速道路の建設に取りかかろうとの政治家の発言に、そのための廃線だったのかと見るはヒガメでしょうか。廃線にして高速道路をつくるという行政のやり方は、時代に逆行してはいないでしょうか。
住民無視の行政に頼らず、あきらめず、みんなで力を合わせて、ふるさと銀河線を全力あげて守ろう、と82歳のバアさんは燃えています。