ウェブマガジン カムイミンタラ

2005年11月号/ウェブマガジン第6号 (通巻126号)  [ずいそう]    

政治家と有権者 (選挙における公開討論会の意義)
笹村 一 (ささむら はじめ ・ NPO法人リンカーンフォーラム北海道代表)

回帰 版画:宝賀寿子
回帰 版画:宝賀寿子

人類が地球上に生存して長い歴史がありますが、たったこの100年で地球上の人口が4倍にあたる60億人を超え、さらに2030年には72億人となる…と言われています。

地球上における民主主義の理念も人類にとっては始まったばかりで、世界の中ではまだそのシステムを取り入れていない国さえあるという現状です。

急激に人類のエゴがこの星に蔓延して、環境破壊が進んでいます。特に開発途上である中国、インドは環境に対する法律もまったく不十分なまま、これから経済発展をしていくことに…

国内に目を向けてみると、環境はもちろん、経済や教育など日本が抱えるこの先の大きな問題が山積しています。そしてこの問題の取り決めや解決については、私たちのリーダーである「政治家」に託されています。

経済発展を一途にわが国は戦後60年を迎えました。この国の民主主義の実態は低投票率にあり、自分たちのリーダーを真剣に選ぶということについて、どちらかというと熱心ではありませんでした。

これからの時代、安易に政治家を選んでいると、国民自身に「つけ」がまわることになりかねません。せめて私たちができること、「信頼できるリーダー選び」に少しだけ気持ちを込めていけないものでしょうか?

日本では22年前まで、公職選挙法上の制度として立会演説会というものがありました。国政選挙や知事選を前に選挙管理委員会の主催で開かれ、それは他の地方選でも条例を制定すれば開催することができました。その立会演説会が廃止されたのは、1983年11月の公職選挙法の改正からでした。

リンカーン・フォーラムは、その立会演説会に代わり、「公開討論会」を通じて一人ひとりが責任と自覚をもって政治家を選ぶというルールを日本に根づかせるため、2000年11月から活動を開始しました。名称は、民主政治の理想を高らかに宣言したリンカーン大統領にちなんでいます。

全国で各種選挙における立候補予定者の公開討論会が、1000回を超えました。公開討論会は「人選び」の最良の場であります。その「人」を知って投票しよう!という考えです。
真剣に考えているのか?人柄はどうなのか?信じることができるのか?

同じステージで候補者同士が、自分の意見を戦わす。そこには人柄や感性、そして想いや情熱が手にとるように見えてきます。誰がリーダーとして相応しいか?自分の意思が明確になります。

リーダー選びはその国の未来を創り出します。
人選びに少し気持ちを込めてみませんか?公開討論会に足を運んでみませんか?
明日の日本がきっと見えてきます。

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