北海道が好きだ。どうしようもなく好きだ。
だから、北海道の悪口を聞くと無性に腹が立つ。逆にほめられると、嬉しい。思わず頬が緩んでしまう。日本ハムが勝って、ジャイアンツが負けた夜は酒がうまい。めったにないことだが、ついでにコンサドーレも勝ってくれれば「矢でも鉄砲でも持って来い」といった高揚した気分になる。
だいたい北海道に住んでいる人が北海道を好きなのは、当たり前じゃないか思うかもしれない。しかし、北海道が好きなのは北海道人だけじゃない。多くの日本人が最も好きな地域が北海道なのだ。日本人だけじゃない。来日する周辺アジアの国々の人が、最も訪れたい地域として、東京でも京都でもなく、北海道を第一位にあげてくれているのは嬉しいじゃないか。
「人に嫌われる」のはそんなに難しいことではない。大した理由もないのに他国を占領したり、突然ミサイルをぶち上げたりするのは論外だが、お隣りがそろって嫌だといっている行為を5年も続けりゃ、間違いなく町中の嫌われ者になる。
だが、「人に好かれる」方法は必ずしも明確ではない。イケメンの金持ちや筋骨隆隆のマッチョが、必ずもてるわけではない。うそだと思ったら娘さんに訊いてごらん。「どうして彼が好きなの?」答はただひとつ「だって好きなんだもの」。
だから多くの人が「北海道が好き」というのは、すばらしいことなのだ。貴重な財産、発展のバネだ。ハーバード大学の教授が、アメリカの力の根源は、ミサイルや原爆でなく、人をひきつける魅力にあったといっている。世界中の人が、アメリカが好きだ、できれば米国人になりたいと思ったから米国は世界一になれたという。
私たちの「私設北海道開拓使の会」は、いまから10数年前に、全国の北海道大好き人間が集まって作った。いま、3000人を越える会員が、みんなで助け合い励まし合って、この大好きな北海道の未来を固く信じて頑張っている。