2004年(平成16)3月1日、原田宏二さんに続いて道警裏金問題を告発しました。当時の原田さんの行動はまさに「現代版パンドラの箱」でした。『捨身の心』でこの箱を開けたのだと思います。私は、この危険を顧みない勇気ある行動に心を打たれました。
結果はご承知のように9億6千万円を国と北海道に返還、約4億円の使途不明金と責任の所在を曖昧にしたまま、幕引き方向に舵が切られました。そして告発から3年が経過し、今や国民の記憶はこの問題を忘れ去ろうとしていると“彼ら”は思っているのでしょうか。
『警察の裏金』は、全国都道府県警察が抱える共通の病巣でありながら、問題が表面化すれば警察は組織防衛にやっきとなり、隠蔽対策に莫大なエネルギーを費やしております。国民不在の裏金カルチャーがしっかりと根付いている、と言っても過言ではありません。そして自分たち身内の不正には寛容である一方、国民の不正には容赦しない姿勢を見るにつけ、こうした警察の体質には、見苦しさとやるせなささえ感じます。
一方では警察官の不祥事や不適切な職務執行が後を絶たず、その度に「再発防止対策に努め…」という言葉を繰り返します。度重なる不祥事等とこの裏金問題は表裏一体の連関であるのに、警察は裏金不正問題から何も学んでおりません。事の本質に迫ろうとする意識が、いつまで経っても醸成されていないと思うのです。
このような折、原田宏二さんの呼びかけで今年2007年2月に「市民の目フォーラム北海道(略称CEFH)」なる市民団体が発足しました。この会は、警察問題に関心のある方々と手を携えて市民のための開かれた警察実現に取り組むことを目的としてスタートを切ったものです。
ホームページhttp://shimin-me.netでは、「活動報告」「情報公開請求」「警察裏金の基礎知識」「公安委員会の実態」「元道警幹部VS北海道新聞裁判」等、さまざまの問題を取り上げて情報発信をしております。
また同ホームページに「くにおの警察日記」と題して、私の警察官時代の裏金体験を赤裸々に連載しております。警察の本来あるべき姿に関心を持っていただければ私の喜びとするところです。
警察の改革を外部から求める取り組みは、息の長いテーマではあります。名実共に「市民のための警察」となって貰いたい、そんな思いを込めながら活動を続けていきたいと考え…「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」…自問自答している昨今です。