今年は6月に早くもマグロが松前沖で漁獲され、積丹沖では7月にブリが来遊して中旬からブリ釣りがスタートした。さらに8月初旬に太平洋・日高沖の私たちグループの釣り大会では、50センチ超級のオヒョウが2匹も釣れた。しかも遅くても7月には産卵を終えているはずのものが、抱卵していた。年配の船頭さんも「こんなのは最近なかったこと」と驚いていた。
そして秋になり、さんまの漁場が道東沖合に形成されず不漁が続き、ようやく9月下旬になり漁獲され始めたが、釧路での水揚げ高は例年の2割と報道された。その釧路では今年はマグロやブリも網に入った。
こうした海に対して、陸上では異常気象が続いた。集中豪雨と猛暑日。海水温度は高いところでは例年よりも5度も上昇していた。
地球温暖化が叫ばれて久しい。それを抑止するために二酸化炭素の排出量を抑制しようとの提言もいろいろ出された。排出量取引なんて言うまやかしのシステムまで考案されている。
私は釣りを趣味としてきたが、海の異変は実はもうかなり前から起きていたと最近考えるようになっている。釣りをしたその時々に何気なく漁師のひとたちや釣り人、さらには潜水を業とする人たちから聞いていた魚に関する情報を、今になって「そうか、あの異変と思えたことが予兆だったのか」と納得できるケースがいくつも発見できるのに気づいた。
例えば、以前積丹の海を潜っていた人が「熱帯魚のような色どりの奇麗な魚がいる」と話していたことや、いつもはゴールデンウィークにはもういなくなるトドが、いつまでも積丹の海にいて網に入った魚を食い荒らす被害を出していたことなど。ブリやマグロの群れに付いて行動しているシイラがオホーツク海で漁獲されたというのもあった。
暖流が強くなっている証拠だったのだろうと思う。
今年の異常気象は偏西風の軌道が北に少し移動したためだと専門家は分析し、発表した。ここ数年の異常は、それとラニーニャとエルニーニョとによる複合した原因と分析している。
陸上での異変と海でのそれとを比較すると、海の方は緩和されて出るので、異変は遅くなると考えられる。
だとすると今年の海での異変を考えた時、私たちはどう受け止めたら良いのか。温暖化のスピードは加速していると考えて、速やかなる対策が必要となっていると私は考える。
私たちは身近なことでできる二酸化炭素排出抑制を始めねばならないと思うのだ。日常生活でできることにはどんなことがあるのか。そのガイドラインと具体的な対策を行政は速やかに示すべきで、国民総出での取り組みをスタートせねば事態は益々悪化するにちがいない。
待ったなし-のところに来ているとの認識を国民全体が共有し、行動せねばならない時代だと考える。