ウェブマガジン カムイミンタラ

1987年09月号/第22号  [ずいそう]    

山と谷
池田 雄亮 (いけだ ゆうすけ ・ 弁護士)

「山あり谷あり」「山高ければ谷深し」など、自然現象にちなんだ人生の格言がたくさんある。この人生の格言は、一般的な「生きざま」にあてはまるほかに、株式相場、債券相場はもとより、最近、一般の関心をよんでいる「円高ドル安」という為替相場にも言えることであろう。

先日、在札米国領事館における、米国独立記念日のパーティーに初めて招かれ、出席した。野外での立食で、極めて簡素な酒の肴が出てのビール、ウィスキーなどのおもてなしであった。数多くの外国の方、日本の方のご紹介を受けての立ち話が楽しく、知り合いの輪が広がることと、肩ひじ張らない米国式パーティーの意義の大きさを感じさせるパーティーであった。

外国の領事たちが、日本語に堪能であることはもとより、日本の古典芸能である歌舞伎、能などに対し、強い関心を持っていることに驚いた。特に落語に対する関心、研究が熱心で、落語独特の「落ち」に対する理解の深さに感心した。

落語の「落ち」にどんなものがあるかについて、何人かの方に聞いてみたが、答えてくれる人は、某銀行の副社長を除いて誰もいなかった。

「東大落研」出身の副社長から聞いた「落ち」の種類としては、語呂合わせの「地口落ち」、とんとんたたみ込むようにしてポイと下げる「拍子落ち」「途端落ち」よく知られている落語の「時そば」などの「間抜け落ち」、家に帰ってハッと気がつく「考え落ち」など8種類ほどの「落ち」がある。

「ドーン」と谷深く落ちて、山道をゆっくり楽しんで下がるには、山は高ければ高いほど良いようである。

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