北海道にちなんだ動植物の異名異称を並べて、クイズを作ってみた。
A 君影草(クロユリ、キスゲ、ライラック、スズラン、アカシア)
B 柳葉魚(タラ、サンマ、ニシン、シシャモ、サケ)
C 春告魚(タラ、サンマ、ニシン、シシヤモ、サケ)
D 紫丁香(クロユリ、キスゲ、ライラック、スズラン、アカシア)
E 時不知(タラ、サンマ、ニシン、シシャモ、サケ)
F 風響樹・白楊(ライラック、ポプラ、ハルニレ、アカシア、エゾマツ)
G 擬合歓・刺槐(ライラック、ポプラ、ハルニレ、アカシア、エゾマツ)
ことばを知っていても、ものを知らなかったり、その逆もよくある。
ある美しい女性が、こういった。「ヒマワリって、お日さまの方を向くんですよね。うちの庭のヒマワリは私の方ばかり見てるんです」
ヒマワリは「向日葵」と書く。植物学の牧野富太郎さんの随筆に「ひまわりは日に廻らず」がある。中国でいう「向日葵」とは私たちが知っているサンフラワーではなく、「冬葵」(フユアオイ)のことで、花が太陽に向かうのではなく、葉が向日性を持つのだという。この話は、青木正児先生の名著『中華名物考』(平凡社)に出ている。「名・物」学は、ものの名と形との関連性を追究する。
初夏、北海道の太平洋沿岸で獲れるサケは、秋、川に遡るサケ・秋味(あきあじ)に対し、時不知(ときしらず)と呼ばれ、市場では「トキ」と略されている。でも、このトキは肌脂細滑、実に美味しい。
〔答〕Aスズラン、Bシシャモ、Cニシン、Dライラック、Eサケ、Fポプラ、Gアカシア