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1992年07月号/第51号  [ずいそう]    

アメリカのスキー場雑感
大 公一郎 (だいこういちろう ・ ダイカ(株)社長)

海外でスキーをするというのは、私の夢の一つだったが、ひょんなことから今年2月実現をみた。

日本の企業がアメリカのゴルフ場やスキー場を買って成功している所は極めて少ないというが、札幌の加森観光の買収したところは健闘しているという。

それでは実際に行ってみようではないか、ということで、私など15人の若手経済人が、アメリカ・コロラド州にあるスチームボートスプリングスヘ飛んだのである。

このまちは、ロッキー山脈の麓にある人口5千の小さな町だ。スキー場とカウボーイが有名だという。治安がよく、外出する時でも玄関に鍵をかけない家が多いとのこと。住民もスキーヤーもほとんど白人ばかり、黒人やアジア人はまず見かけなかった。

スチームボートスキー場は広い。ニセコの全山を合わせたよりもっと大きいだろう。何より驚いたのは雪質の良いことだ。サラサラと軽く、乾燥している。だから自分も急にスキーが上手になったような気がしてくる。

スキー場の運営も日本と多少違う。レンタルスキーが盛んで、その人に合ったスキーや靴を素早く選んでくれる。リフト券は一日券(もしくは写真を貼った数日券)しかないので、いったん下のロープウェイの所で係員がチェックしたあとは、いちいちリフトに乗るたびに係に提示する必要はない。スキーヤーにとってわずらわしくないし、スキー場にとっては人件費の節約になる。

団体客の獲得やその他にもノウハウがいろいろあるそうで、加森さんにとってもスキー場経営のソフトウェアに得るところが多いそうだ。

この有名なスキー場が日本企業に買われたことを、アメリカ人はどう思っているのか。たまたまリフトに乗って隣合わせたスキーヤー、私たちの世話をしてくれたスキー場の従業員、地元ロータリークラブの会員たちなどから得た私の感触からして、オーナーになっても経営は現地の人にまかせ、長期的な目で次々と投資をしてくれることに極めて好意的だったといえよう。

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