ウェブマガジン カムイミンタラ

1993年01月号/第54号  [ずいそう]    

スポーツの倉
挽地 喬子 (ひきちきょうこ ・ 北海道婦人スポーツ連盟理事長)

「先生。テニスで出歩かなかったら、今ごろ倉がたってたんでない?」。

そんな財産家ではないから心配はないが、口の悪い友だちに言われたとおり、ラケット片手に出歩いたものである。

教職は42年で終止符。それを上まわるソフトテニス生活は、48年目に入った。

国体、全日本大会、レディース大会、そして外国遠征など、数えると津軽の海を越えたのは3けたの数にもなるだろうか。つい先日、外国遠征7回目の韓国から帰国したばかりである。

私は、この長いスポーツ生活で国内・国外を問わず、数多くの友を得た。特に教師だった私にとって、教職以外の人びととのおつき合いにより別の角度からいろいろと学びえたことは、まさにスポーツが宝とも言うべきであろう。

婦人スポーツの仲間に入れていただいて、18年目となる。「テニスのかっこよさにあこがれて、レジャーのように思っている人が多いかもしれませんね。レジャーであっても、正しい基礎を覚えなければ長続きもしないし、本当の楽しさもわからないのではないでしょうか。基礎を身につけると面白味もぐんと増すし、奥深く追求する気にもなる。始めるからには、真剣に取り組んでほしいですね」。

数多くの指導の機会に一貫して言い続けてきたことばは「基礎を」であり、それがいくつになっても楽しめるスポーツになることを身をもって学んだからである。

試合に勝つためには、最大限の努力をし、自分に打ち勝たねばならないこと、そこから厳しさが生まれること、またルールを守ることによってスポーツマンシップが生まれてくることなどである。

『和と信頼』・『根性』・『基礎・基本』多くの人びとに支えられ、そして自分も頑張ったスポーツ人生。自分の体験からにじみ出た校長時代の学校経営方針であった。

数多く出歩いたお蔭で、スポーツで学び得た宝が、わが胸倉にびっしり入っているのである。

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