ウェブマガジン カムイミンタラ

1993年07月号/第57号  [特集]    

人間重視の理念を掲げ生活者の最も身近な場で学びあいたすけあう経営者集団
北海道中小企業家同友会

  
 バフルの経済崩壊のあと、「平成不況」ともいわれているここしばらく、今後ふたたび経済をどう盛り上げていくかが問われています。
 北海道経済の根底を支え、地域社会の守り手であるとの自負をもって、たがいに“知りあい、学びあい、たすけあい”のネットワークを結んで活動しているのが、北海道中小企業家同友会(060-0004 札幌市中央区北4条西16丁目第一ビル 電話011-611-3411)です。創立いらい24年。いまや約5500社の会員をもつ中小企業経営者集団に成長しています。そこで、人間尊重の企業づくりを基本理念にしているこの集団の活動と、今後の展望をたずねてみました。

道内全域に支部組織をもち5500杜の会員が集う

北海道中小企業家同友会が誕生したのは、1969年(昭和44)11月のこと。24年間の歴史を積み重ね、その会員数は約5500社におよぶ規模に成長しています。

イメージ(熱心な討論をする地区会の月例会)
熱心な討論をする地区会の月例会

東北6県と北陸の一部を加えた面積と、170万人を超す大都市・札幌をようする広大な北海道なので、札幌支部には全区10地区会、さらに千歳市・恵庭市・広島町を統合した地区会と江別地区会が組織され、札幌圏だけでも約2300社の企業が加盟しています。また、600社を超える会員の旭川支部をはじめ、帯広、小樽、函館など道内全域に支部組織が設置され、固いネットワークで結ばれています。現在の代表理事には福山達彦(ベル食品(株)会長)、山﨑初三郎(山﨑建設工業(株)会長)、千葉一(北雄ラッキー(株)会長)の三氏が就任しています。

自主的で地道な研さんをめざす中小企業集団の誕生

戦後10年間の欠乏時代、その後の高度経済成長期への移行時代の中小企業運動には、いろいろな試行錯誤や模索がありました。そのため、自主的で地道な独自の活動の必要性を望む機運が、戦中・戦後をくぐり抜けてきた中小企業経営者のあいだに高まっていきました。

現在の中小企業家同友会全国協議会のなかで、もっとも古い歴史をもつ東京中小企業家同友会(1957年当時は日本中小企業家同友会)は、そういう人たちによって結成された集団でした。この中小企業家集団の輪は、まもなく大阪、愛知、福岡、神奈川へと広がり、さらに全国協議会をつくろうという盛り上がりになって、北海道にも組織づくりの誘いがあったのです。

実経営に即した基本方針たて 小さな集いの大きな出発

1969年6月、たまたま上京していた北海道の中小企業経営者が業界の縁で、誘われるままに小田原市での会合にオブザーバーとして出席し、大きな感銘をうけたことが、北海道組織誕生のきっかけでした。早速、札幌、小樽、函館の有志に呼びかけ、北海道での設立にむけて熱心な討議が重ねられました。そして、北海道での同友会運動の基本方針が、次のようにうち立てられたのです。

1、自分だけではもちろん、同業組合では解決できない問題、出せない悩みを語りあい、激励し、たすけあう同友会。
2、会員の一人ひとりが近代経営に脱皮し、隆盛になる道を探求しあう同友会。
3、金融、税務、貿易などの経営問題や時事問題の講演会、研究会のほか、いろいろな話し合いを通じて、腹を割った経験交流をおこなう同友会。
4、あらゆる中小企業団体と提携して、中小企業のさまざまな要望を訴え、実現する同友会。

その年の11月22日、札幌のホテルに札幌、函館、小樽から25人の中小企業経営者が出席して設立総会が開かれました。東京、大阪、名古屋から駆けつけた先輩会員の激励をうけ、感動のうちに“小さな集まりの大きなスタート”がきられたのです。初代の代表理事に選ばれたのは、故井上良次さん((株)光合金製作所社長・小樽市)でした。

専任事務局長に誘われた銀行マンの大久保さん

本格的な活動を進めることになって、専任事務局の必要性を感じた創設者たちが白羽の矢を立てたのは、現専務理事の大久保尚孝さんでした。

当時、大久保さんは大手都市銀行の札幌支店に勤務していて、仕事上の関係から会員企業の経営者たちにも知られている人でした。

「あなたは永年中小企業いじめをしてきたようだが、このへんで足を洗い、中小企業の味方になって罪滅ぼしをしてはどうか」というのが誘い文句だったと、大久保さんは笑います。しかし、大久保さんには、中小企業に対する確たる識見がありました。

イメージ(大久保 尚孝さん)
大久保 尚孝さん

「私は、中小企業こそが日本経済の中軸であることを知っていました。しかし、それに対するさまざまな社会矛盾もあったのです。そんななかで、中小企業経営者は自力で勉強しながら社会的に支持、信頼される企業づくりをしなければならないと思っていましたので、その点で創設者の考えと私の考えは合致するものがありました」といいます。そして、その創設者たちが業界でも人柄、力量ともにすぐれ、会社の資質も優良といわれる人たちだったことが大久保さんに安心感を与え、迷いなく転進を決意したとのことです。

企業は人なり―、誇りをもち自覚的に働く人間集団をめざす

大久保さんの常任理事・事務局長就任で、活動はにわかに活気づきました。当時、わが国は高度経済成長の絶頂期にあり、その終焉がそろそろささやかれだしたころでした。中小企業経営者の多くが対策に苦慮していた労使関係も、従来の保守的な概念に固執していたのでは対応できない時代が来ていること。国民の生活感情の変化、通念的な社会的ルールヘの反省などが次々に起こり、“変革の時代”という言葉がさかんに使われ、新しい時代に向けての確かな価値観とは何か、の問いかけがおこなわれだした時代でした。

そんななかで、北海道の同友会は力強い呼びかけをはじめたのです。

イメージ(経営に直結したテーマで公開特別例会)
経営に直結したテーマで公開特別例会

「経営者自身がただ自分の企業、自分の得意とする分野だけにこだわっていたのでは、これからの時代を生き延びることができない。経営者は教育者でなければならない。自分の企業の社員をいかに活かすか、それがトップリーダーの仕事なのだ」ということを強調したのです。たとえば、人間としての自覚と誇りにかけて仕事の内容を判断したり、課題を見つけて挑戦する50人の社員と、指示され命令された分だけを働く50人では活力がまったく違います。自分の人生を楽しむつもりで仕事ができたら、そこに社員は働きがいを見いだすだろうし、そういう人たちなら、当然、規律を守るだろう。情勢の変化に合わせて新しい対応をする、パワフルで発展性の高い人間集団になるだろう。経営者は、そういう人間集団としての企業づくりをめざすことが大切なのだということです。

「それは同友会の基本的な理念であったし、私自身が銀行マンとして多くの企業の栄枯盛衰を見ながら感じてきた結論でもあった」と大久保さんは話します。そればかりか、企業をとりまく周囲には人間の暮らしがある。企業は人びとの暮らしに未来永劫役立つものでなければならない。その価値基準を原点として、創設者たちは同友会の活動の方向を確立していったのです。

企業に命をかけている経営者は謙虚に耳を傾けてくれた

「中小企業の経営者は頑固で、自分の持っている物差しの目盛りを新しい時代の目盛りに取り替えることはしない人たちと、はじめは思っていました。ところが、会員のみなさんは謙虚に、真剣に話を聞き、学ぼうとするんですね。それは何かといえば、経営者には命がかかっているのです。企業を守り、発展させることは、即、生きることです。そして、自分の企業に働く社員とその家族の生活も担っているのです。経営に責任を持たなければ、自分もまた死んでしまう。そのことをしっかり自覚している人たちだったのです」大久保さんはその姿勢に心をうたれ、同友会への入会を経営者に訴えてきました。

なかには「そう言ったって…」と渋る経営者もいました。しかし1度2度と会合に足をはこんでいるうちに変わっていくのです。

イメージ(卒業証書を手にした経営者大学卒業生のみなさん)
卒業証書を手にした経営者大学卒業生のみなさん

「『あの社長このごろ変わったぞ』と、毎日のように接触している人たちにはわかります。『なんだか自信ありげだけれども、どうしたんだろう』『いや、勉強をしているらしいよ』、そんな口こみで同友会の組織は広まっていったのです。北海道の同友会は活動内容が充実しているとの評価を得ていますが、とくに傑出した指導者がいたわけではありません。それぞれに自分の企業に責任をもち、真剣に経営に取り組む人たちによって今日の発展をみたのです」と大久保さんは語ります。

「知は力なり」と“共育”の土壌づくりを経営の基本に

高度経済成長期の劇的な終幕とオイルショックを経たなかで、自主・民主・連帯の精神で人間尊重の企業づくりをめざそうとする同友会運動の「三つの目的」が、全国的にも煮詰められていきました。

その目的というのは、
(1)会員の経験と知識を交流して、企業の自主的近代化と、強靱な経営体質をつくる。
(2)謙虚に学びあい、現代の経営者に要求される総合的な能力を養う。
(3)中小企業をとりまく経営環境の改善につとめる。
――というものです。それは、経営者の資質向上をめざすだけではなく、中小企業に働くすべての人の幸福を願い、地域社会の発展に役立とうというもので、地域にしっかりと根をおろして存在する中小企業経営者ならではの目標でした。

この同友会がもっとも力を注いでいるのが、経営者も含めた社員教育です。しかも、教育は「共育」という文字に置き換えて、共に学びあっています。

同友会の教育活動は、企業人としての手腕力量とともに、人間として社会的に信頼される“豊かな人間性に裏打ちされた知識と感性をもった、心身ともに健康な人に育つこと”をめざしています。それは、経営者も社員も共々に、周囲から信頼され、他人に対して思いやりがあって、リーダーシップがとれる人であり、仕事と人生のかかわりを自覚し、仕事のなかによろこびや生きがいを見いだすことのできる人。そして、自らを謙虚に律し、たえず成長をとげていく人でなければならない―そんな自覚のもとに、21世紀に向けての地域づくりに貢献しようという姿勢で、活動の充実、改善を含めた取り組みがつづけられているのです。

その学びの場が、『共育』体制です。そのなかの「社員教育」では、新入社員のフォローアップ研修、マナー教室にはじまって、一般社員のパワーアップ研修、さらに営業マン、総務担当者、中堅社員、中堅幹部、上級幹部とそれぞれに一泊研修を組んで学識者や経験豊かな企業経営者の講演など、さまぎまな勉強会がおこなわれています。

経営幹部の学習の場として「同友会大学」が1981年1月に開講されました。経済、経営分析、経営と法律、北海道論、科学技術論、人間と教育などのカリキュラムで、夏期と冬期に分けて50人前後の人が1期4ヵ月をかけて学習しており、現在までの卒業生は1000人を超しています。

さらに、経営者のための「経営者大学」は1982年5月から開講しています。これは経済学、経営学から法と中小企業論、人間論、北海道論におよぶ5コースを1コース10講座、合計150時間を4年間で修了するもの。受講者のなかには、11年間をかけて卒業証書を手にした社長もいます。「ここでは、一部の社員教育講座にみられるような、人間を極限状態に追い込んで考える力を停止させ、ムチで獣を調教するようなことはけっしてしません。教育の基本を人類の起源と社会の発展過程にまで踏み込んで、人間を歴史的、科学的にとらえ、中小企業に働く意義との関連を学ぶものにしているのです」と大久保さんは話します。

また、一般におこなわれているマニュアル教育については、ある段階での有効性は認めながらも、それだけでは自主的、創造的にものごとを考えていく力はつかないとして、自ら人間として育つ道を学びあうものにしています。それは、「知を力に」することが企業繁栄の道であり、「共育しあう土壌づくり」が企業経営の礎になるという認識に立ってのことです。こうした活動は、北海道中小企業家同友会独自のものでした。

この春、経営者大学を卒業した山﨑初三郎さんは、学びの場としての同友会について次のように語ります。

イメージ(山崎 初三郎さん)
山崎 初三郎さん

「北海道中小企業家同友会に入会して20年以上になりますが、最初は誘われて例会に出席する程度、あまり熱心な会員ではありませんでした。しかし、当時、社長になって間もないころで、企業経営者として多くの問題を抱えていたときでもあり、なにか得るものがあるだろうと講演会や研修会にも出るようにしました。すると、市販の経営書などでは学べないことが得られるのです。そのひとつは、中小企業経営者のなまの悩み、つまり私と同じ悩みを持っている人たちが集まっているという手ごたえを感じたこと。相談ごとが気軽にできるグループであることがわかりました。そして、“汗くさく、泥くさく、気張らず、急がず、あきらめず”という合言葉に親近感を感じ、私も勉強しなくてはと思うようになりました。そんな気持ちで、70歳の手習いながら、同友会の経営者大学に参加させてもらいました。むずかしい講義を50人の講師がわかりやすく話してくれます。その講義のノート整理をしたり、参考書を紹介していただいたり、4年間の勉強は私にとってたいへんプラスになりました。このたび、ぶじ卒業証書を頂戴しましたが、これで勉強を終えるのではなく、生涯学びつづけたいと思っています」。

さらに山﨑さんは「経営者大学には、理論をしっかり教えてくれる50人の講師がいます。そして、約5500人の会員も豊かな体験を教えてくれる私の貴重な先生であり、会合に出るたび必ず何かを教えられて帰ることができる集団です」と付け加えます。

豊かな成長をコンセプトに呼びかける独創的な求人活動

北海道の同友会運動のもうひとつの重要な活動は、「共同求人活動」です。ここで毎年すすめられている共同求人活動は、北海道の同友会が生みだして全国に広まっていったもので、会員数が1000社になろうとする1974年からはじまったものです。

イメージ(レクリエーション「歩こう会」(樽前山))
レクリエーション「歩こう会」(樽前山)

その独創的な活動とは、第1に若者の人生に責任を負う立場で「ともに学び、ともに育ちあって豊かな人間に成長しよう」という熱い呼びかけにはじまることです。そのため、社会人としてのスタートをきる若者に「あなたは人間として、どう生きるつもりですか」という問いかけによって選択をうながします。第2に、人材の確保と育成を「地域の新しい歴史を創造する」という地域おこしや地域再生と結びつけた活動と位置づけていることです。そして第3には、「就職とは何か」から「就職の選択」「就職後の不安や疑問」を安心して相談できる窓口をひらいていることです。

学生たちには「合同企業説明会」を開催。企業に対しても、雇用情勢の情報提供や長期展望に立つ求人戦略の進め方についての研究につとめていることです。そして学校訪問、学校の就職担当職員や職安などとの懇談会、企業訪問などを年間行事として組み込んでいることです。このため、同友会の求人活動に対キる学生たちや学校、地域の期待は大きく、年々盛大になっています。

地域発展の活力源として活躍する支部や部会活動

「中小企業は地域に依拠して経営が成り立っていますが、同時に地域の人たちの暮らしの守り手でもあります。事実、中小企業経営者の支持と協力なしには行政も経済も文化も伸展しない。つまり、中小企業は地域社会の活力源としての役割をはたしています」と大久保さん。それを体現しているのが、支部活動です。

函館支部では、主要水産物のイカを主材にした「イカノポリス」運動を提唱し、地場産業の振興と観光に花を添える活動を定着させました。小樽支部は、歴史と風土を生かすまちづくりのために積極的な提言や活動を展開しています。消費行動が札幌に流出しがちな旭川支部では、消費者の利益と地元商店の利益が一致する中小商業の在り方を確立した提言を発表し、市に第二種大型店の指導要綱を作成させるという成果をあげました。そのほか、全道各支部も地域の実情に応じた独自の活動を企画し、実践しています。

イメージ(下斗米 ミチさん)
下斗米 ミチさん

北見支部長の下斗米ミチさん((株)福村書店社長)は「北見支部は若い会員が多いのですが、私のような年配のものでもざっくばらんに話し合うことができ、とてもまとまりのよいグループです。その連帯感は一支部のなかだけでなく、他の支部とのあいだも強い結束が育っています。先日、私たちの支部活動の講演会に映画監督の山田洋次さんをお招きしたのですが、途中航空機のエンジントラブルで函館空港に引き返すことになったのです。そのとき、函館と札幌の支部会員、事務局のみなさんが見事な連携プレーをしてくださり、奇跡的ともいえる30分遅れで開演することができました。こんなすばらしい会員によって支えられている同友会の一員であることに私は誇りをもち、感謝する気持ちでいっぱいです」と話します。

また、各支部で活躍している女性部会の活動についても「女性経営者の勉強会と親睦の場であり、共通の問題を話し合ったり解決する場として楽しく活動しています。また経営者の奥様たちも、よきサポーターになろうと経営のことや文化的なことを積極的に勉強しています。先日、全道の法人会の研究会に参加しましたら、同友会の女性部会の人たちの顔も多く、さまざまな分野で活躍していることを知り、うれしく思いました。同友会は、総会や研修会に出席してもまったく性別を意識しない対等のおつきあいをしてくださることがなによりです」と活動の実りを喜んでいます。

若手経営者の集い、業種別部会、異業種交流部会などが各支部で活躍しています。それらの活動の根幹をなすのが、月例会です。それぞれに経営に直結したテーマを持ち寄って講話を聞いたり、活発なグループ討議をおこなっています。

イメージ(岡村 敏之さん)
岡村 敏之さん

そうした同友会の活動について、同友会大学の第1期生で同友会大学同窓会の会長でもある岡村敏之さん(ダイヤ冷暖工業(株)社長)は「同友会とその仲間から学ぶものはひじょうに多い。私にとっては、自分の考えを確認する場にもなっています。もし同友会がなかったら、現在の自分や会社はかなり違ったものになっているのでは」と前置きしながら「社長ひとりが学ぶ場はいくらもありますが、社員みんなと交流するなかから学びあえる場を、私は他に知りません。企業にとっては会社の理念を理解し、ひとつの目標に向かう共通項をどのように全社員がもつかが会社発展のポイントになると思いますが、その土壌をつくってくれるのが同友会なのです」と評価しています。

こうした活動をすすめていくうえで、重要な任務と役割をはたしているのが事務局です。専務理事の大久保さんは、同友会のシナリオライターとなり、プロデューサー、ディレクター、さらにオルガナイザーとなって活躍してきました。そればかりでなく、事務局員の一人ひとりも役員をもりたて、会員のよきパートナーになろうと努力しています。そのしっかりした事務局体制によって、会員の活動は支えられています。

24年間の成果を踏まえ普遍の理念で将来をきりひらく

イメージ(事務局員は会員の良きパートナー)
事務局員は会員の良きパートナー

「時代の流れはたえず変化し、中小企業をとりまく情勢はきびしさが常につきまとうかもしれません。しかし、これまでさまざまに集約されてきた同友会の理念、目的は今後に通じる普遍的なものがあると受け止めてきました。それを高め、深め、広げていけば、どんな変化にも柔軟に、能動的、創造的に対応する力となり、着実に中小企業は前進することができます」と大久保さんは語ります。

また、岡村さんは「同友会の活動は時代の変化に対応した革新を遂げながらつづいていくことでしょう。創設者が築き、育てあげてきた目的とその活動をしっかりと受け継ぎ、さらに成長させて後進に引き継いでいくのは私たちの任務だと思っています」と力強く語っています。

近年、行政など各界でも北海道中小企業家同友会が自ら学び、実践してきた24年間の蓄積から積極的に学ぼうとする動きがみられ、地域発展の推進力のひとつとオて期待を高めています。

そうした各方面からの期待がますます高まるなかで、四半世紀の歴史を積み重ね、会員5500社という大規模な組織に成長した北海道の同友会がさらに発展を期すためには、創設当時の情熱と、いっそうきめ細かい交流、研究が支部活動や地区会活動のなかに求められています。

中小企業をとりまく時代の要請の変化や会員の世代交代もすすみつつあります。そのなかで基本理念をしっかりと受け継ぎながらも、新たな学びあいの方法を確立していく段階を迎えつつあるという、会員の前進をめざす意欲も高まっています。

◎この特集を読んで心に感じたら、右のボタンをおしてください    ←前に戻る  ←トップへ戻る  上へ▲
リンクメッセージヘルプ

(C) 2005-2010 Rinyu Kanko All rights reserved.   http://kamuimintara.net