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1995年09月号/第70号  [ずいそう]    

「95札幌子どもフェスティバル」を取り組んで
福原 純子 (ふくはらじゅんこ ・ 95札幌子どもフェスティバル実行委員長)

私は「子ども劇場」という団体に所属している一母親である。この夏、「95札幌子どもフェスティバル」を取り組んだ。これは札幌のすべての子どもたちに生の舞台を届けよう、そして地域の中で子育てや文化について考え合う大人の輪を広げようという目的で始められた。

地域での舞台公演は、プロの劇団に来てもらい、公演ができるように準備し、実施していく。子どもに生の舞台を見せたいと思っている母親、子どもはこの環境で良いのかと疑問をもつ母親らが実行委員会をつくって始めた。経験のある人、ない人混じっての実行委員会である。作品決め、劇団との話し合い、会場決め、チケット販売、すべて親子で準備していく。

子育て真っ最中のお母さんたちは、集まれば話題はつきない。なかなか本題が決まらず、何度も集まる。しかし、みんな貴重で楽しい時間なのでいきいきして集まる。同じ町内に住んでいて初めて話す人もいたりで、新しい出会いも生まれた。

ポスターを子どもと一緒に手作りし、それをいつも買い物に行くお店に貼ってもらう。どのポスターよりもすばらしく、いとおしく見える。チケットはなかなか買ってもらえず苦労する。「どうして、こんなに子どもの文化にお金をかける大人が少ないの」と嘆きも出てくる。公演当日までできるかどうか不安いっぱいの日々。集まっては、この不安を解消するため話し合う。

当日は劇団の迎え入れ、会場準備などすべて親子で行なう。チケットを手にした知った顔が次々と集まってくる。上演となった。演じる人の汗が飛んでくる。子どもたちの輝いた目。笑っている親子。そんな光景を見ながら実行委員会のメンバーは、苦労もあったがやって良かったとしみじみ感じる。

今年このような経験をした大人が札幌では千人ちかくになった。舞台をみた親子も1万人ちかくに達した。地域の子どもの事を考え合う大人の輪は確実に増えてきた。そして、その数をもっともっと多くしたいと思いを強くした。

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