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1999年03月号/第91号  [特集]    

環境や生態系に優しく北海道にふさわしい21世紀の旅のあり方を求めて
北海道とツーリズム

  「エコツーリズム」と言う言葉をご存じですか。それは、新しい時代の旅のあり方を示す言葉としてよく見聞きするようになりました。北海道は日本の代表的な観光地のひとつです。その経済効果も、波及効果も含めて道内では農業と並ぶ1兆円産業であり、北海道経済にとって観光振興は重要な課題となっています。その一方で、雄大な自然との直接のふれあいを楽しんだり、農作業に参加してみるなど体験型旅行への志向が顕著になっています。そんな新しい時代志向を背景に、北海道らしい旅のあり方を考えるシンポジウムとワークショップが、先ごろ札幌市内で開催されました。そこでは、パネリストやさまざまの立場で参加した人たちの熱心なディスカッションを集約して『アピール文』がまとめられ、それを出発点としてさらに論議を重ね、北海道らしいツーリズムの創出と発信をめざすことが確かめられました。

自然や地域の文化に親しむ新しい旅行形態

イメージ(シンポジウム「北海道ツーリズムって何だろう!?」1日目のパネルディスカッション)
シンポジウム「北海道ツーリズムって何だろう!?」1日目のパネルディスカッション

エコツーリズムという言葉の意味は、「Ecologically Friendly Tourism=生態系に優しい観光事業」で、『地球環境キーワード事典』(中央法規出版)によると「エコロジーとツーリズムを組み合わせた造語。動植物などの自然資源に恵まれた地域で、自然環境との共存を図りながら自然観察をおこなったり、先住民の生活や歴史を学んだりする滞在型の観光のあり方をめざすもの」と定義しています。

エコツーリズム推進協議会は、その設立趣旨に「地域の自然環境や伝統的な文化を保全しつつ、旅行者にその地域特有の自然を体験する機会を創出する」としています。

また、JATA(日本旅行協会)が発行した『エコツーリズム・ハンドブック』には「自然を中心として、その土地に存在する生態系を守り、そのインパクトを最小限にしようとするツアーを実践する運動」と定義づけています。

さらに、日本自然保護協会は「旅行者が生態系や地域文化に悪影響を及ぼすことなく、自然地域を理解し、鑑賞し、楽しむことができるよう環境に配慮した施設および環境教育が提供され、地域の自然と文化の保護、地域経済に貢献することを目的とした旅行形態」としています。

エコツーリズムと同じような使われ方をしている言葉としては、『サステナブル・ツーリズム=Sustainable Tourism』があります。これは、地球環境に負荷をかけず、環境をできるだけ維持しつつ(持続可能な)利用する旅行形態」で、地球環境の保護に重きが置かれています。ほかには『ソフト・ツーリズム=Soft Tourism』という言葉などもあります。

一方、体験・滞在型の旅行形態として利用を増やしているものに『グリーン・ツーリズム=Green Tourism』があります。これは農水省が中山間地域の活性化をめざして推進しているものですが、これも環境破壊の防止や景観の維持などへの配慮がなされています。また、『マリンツーリズム』はその海浜・漁村版といえるものです。

興味深い南極観光の現状やドイツの先進的ツーリズム

近年の旅行者ニーズの変化と、新たな旅行スタイルの出現が見えはじめた状況を背景に、北海道の将来を明るくする旅のあり方を探ろうと、1998年12月5、6日の2日間、シンポジウム『“北海道ツーリズム”って何だろう!?』が、札幌市北区の自治労会館で開催されました。主催したのは「北海道のエコツーリズムを考える会」(代表・小野有五北海道大学大学院地球環境科学研究科教授=事務局〒064-0805札幌市中央区南5条西8丁目・北海道自然体験学校NEOS内 TEL:011-520-2066)です。この会は、98年4月に道内の関係者約40人が集まって発足したものです。

「北海道には、自然をガイドしながら比較的少数の人に旅を楽しんでいただこうという取り組みが、すでにいくつかのグループでおこなわれています。日本では、たぶん北海道と南西諸島の2つの地域が最も進んでいると思います。その一方で、とくに北海道は広い地域ですから、飛行機で大量の観光客がやって来て、あとはバスで道内各地をめぐり歩くといったマスツーリズムも盛んです。しかし、私たちはもともとそんなマスツーリズムには限界があると思っているのです。いま、旅をめざす人は団体で行動するよりも、個人で自分のやりたいことをしたい、楽しみたい、もっと自然を知りたいという人がとても増えているのです。そういう人たちのニーズにはこたえなければならないのはもとより、今後の北海道の観光産業を考えると、ただマスツーリズムを繰り返しているだけでは発展性がないと思います。それを北海道自体がどのように切り替えていくか、みんなで知恵を出し合って考えていこうとこの会をつくったのです」と、結成にいたる考え方を代表の小野有五さんはこのように語ります。

「集まってみると、エコツーリズムに対する考え方がそれぞれ違います。そこで、まずお互いに話し合って、どういうものをめざしているかをある程度絞らなければいけないということで、勉強会を重ねてきました。もちろん、ジャンルが広いため一つに絞り込むのはむずかしいのですが、ある程度、共通する部分が見えてきたので、ひとつはエコツーリズムのことをもっと広く知ってほしい、もうひとつはおたがいにもっと勉強し合いたいということで、シンポジウムを開くことにしたのです」とのこと。

1日目は、一般の人に知ってもらうために「エコツーリズムとは何か」を広い角度からとらえてみようとするものでした。

イメージ(シェルパ斉藤さん)
シェルパ斉藤さん

基調講演では、八ヶ岳山麓に住み“秩序ある無鉄砲な旅と野宿を愛するバックパッカー”のシェルパ斉藤さんが、耕耘機(こううんき)による日本縦断を北海道から始めたとき、民話『わらしべ長者』になぞらえて手持ちの物を交換し合いながら旅をつづけた話を、そう快に語りました。とくに「旅はゆっくり行くほど濃密になる。歩く速さの旅が最も楽しい」という言葉に説得力がありました。

つづいて小野さんがコーディネーターとなってパネルディスカッションに移り、3人のパネリストがエコツーリストの実践や海外の考え方などを紹介しました。

黒松内町教育委員会教育長の若見雅昭さんは、人口約3千7百人に対して牛が1万1千頭の小さな町で、10年前から、北限といわれる国の天然記念物・ブナ原生林を楽しみに、札幌市民を中心に年間12万人が自然体験に訪れるまでになった経験を述べました。

イメージ(若見雅昭さん)
若見雅昭さん

「近隣町村には、四季を通じたリゾートの町・ニセコがあり、車で1時間ほどの距離に洞爺湖温泉、太平洋側の隣町・長万部には大量通過型観光のドライブインがあります。そこで若者たちは、それら近隣町村とはまったく反対のことをやってまちづくりをしようと考えました。つまり、通過型ではなく滞在型に、大量集客ではなく少人数に、収奪型ではなく循環型に、1回しか来ない客よりもリピーターを大切に、という選択でした。町の開発も、よその町とは反対の選択をしました。ブナ林の里らしい風景・風土・風味にポイントを置いて、どんなまちづくりをしたらよいかを検証しました。折柄、バブル経済が進行しており、あのホテル・エイペックスがらみのゴルフ場開発を強く誘われましたが、私たちは断りました。当時、これほど早く崩壊するとは思いませんでしたが、賢明な選択でした」と、スタート当時の様子を語りました。しかし、12万人の入り込み数は92ヘクタールのブナ林への影響も出始め、大勢に踏み固められて腐葉土が減ってきたり、靴についた牧草の種がブナの森に落ちて植生に変化が現れはじめているなど、不安要素を抱えている現状も報告されました。

ニュージーランド政府観光局長・エコツーリズム推進協議会理事の小林天心さんは、エコツーリズムを本格的に考える契機になったという南極観光の様子をダイナミックに話しました。

イメージ(小林天心さん)
小林天心さん

「南極にはホテルがないので、船の中で寝泊まりしながらのツアーです。南米の尖端のフェゴ島にウスワイアという小さな港町があり、そこからドレーク海峡を越えると南極半島にたどり着きます。そこは南極大陸では最も暖かい地域なので何万羽というペンギンの集団生息地がいたるところにあり、フィヨルド地形なので波は静かで風景も素晴らしいのです。しかし、途中のドレーク海峡はひじょうに波が荒く、みんなはドレーク・シェークと呼んで、そこへ行くまでの二日二晩は地獄です。私は5食も食事ができませんでした。南極は、そんな苦しみを乗り越えなければ行けないところなのです」と紹介しました。この南極ツアーの話が小林さんのもとに入ったとき、南極観光の資料が日本にほとんどなかったので世界から資料を取り寄せ、2年間、徹底的に勉強したと言います。そのなかの、カナダの業者から送られてきた資料はA4判で2センチもの厚さがあり、南極の自然や動物、とくにクジラとペンギンの生息状況、植物、南極探検の歴史、南極の科学観測の現状と将来、その他さまざまなアイテムを網羅し、学術的なデータをバックグラウンドにしながら、だれが読んでも理解できるよう編集されていました。

「南極は自然がいちばんピュアな形で残っています。しかし、過去40年間の各国政府の観測活動のなかで溜まったゴミの山がいま問題になっており、地球環境的な科学汚染が深刻なため、何億円かの費用をかけてクリーンアップ作戦を展開しています。その一環として、南極観光旅行業組合がNGOで参加して規制に目を光らせていたり、観光船が科学観測隊への補給の役割を担ったり、ゴミ掃除を手伝ったりしはじめています。観光業者が自然環境に対してできることは、意外にたくさんあるのです」という報告もありました。

ドイツ・フライブルク市在住の国際環境ジャーナリスト・今泉みね子さんは「ドイツのエコツーリズムあるいはソフトツーリズムは観光からではなく環境運動からはじまっています。政府も環境省だけでなく経済省が音頭取りとなって観光業界全体で取り組み、『環境に優しいツーリズムのためのガイドライン』を作っています。そこには交通から自然環境関連法規の説明、環境管理の方法、自然教育についてなどが詳細に書かれています」と、その具体的な実例を報告しました。

それによると「コンクール好きなドイツでは、環境に優しい自治体のランキングを競わせています。ドイツ市民も環境意識が高いので、それを見て、6週間の長期休暇には最も自然に負荷をかけないまちへ行って過ごそうとします。その町は大勢の観光客が来るのでコンサートやさまざまなイベントをしますが、そこでの飲食に使い捨ての容器はいっさい使わず、缶ビールも缶ジュースも売らないのです。それらはすべてビンの容器を用い、返却してなんども使えるデポジット方式を採用しています。また、ヨーロッパには観光における交通公害の対策に着手している国も多く、スイスのある町では市中に車の乗り入れをいっさい禁止して、馬車で移動するか、電気自動車のバスを利用してもらっています。また、公共交通をうまく利用できるようにと、お客の希望に合わせた時間表を個々に作る交通アドバイザーもいます。いずれにせよ、ドイツやスイスでは観光イコール環境対策という考え方をするまでになっています」と先進国の情況をスライドも使って紹介していました。

小林さんはふたたび発言を求め、「岩手県二戸市がエコツーリズムでまちおこしを計画したとき、住民にアンケート調査をおこない、自分のまちの“お宝探し”を徹底的にやりました。すると、どこのおばあさんの料理がうまいとか、ある集落のほこらには古くからの伝承があるとか、まちの人ならあたりまえと見過ごしていた森の中で光るホタルは、世界的にも珍しい陸生のヒメボタルだったなどの再発見が続々と集まり、詳細なお宝マップを作って売りにしています。また、私がモルジヴへ旅行したとき、ドイツの観光客が自分の出したゴミを袋に詰めて本国まで持ち帰るのを見て、びっくりしました」と語り、エコツーリズムとは観光の特別なジャンルなのではなく、人間も自然も、文化も、都市も地方もが有機的につながり合い、マスツーリズムを含めたすべての観光事業の枕詞とするくらいの考え方をすることだと強調していました。

そのあと、コーディネーターの小野さんによって北海道とツーリズムについての論議を進め、「北海道のいちばんの財産はアイヌの人たちと一緒に暮らしていることだろう。北海道にはアイヌの人たちがつけた地名がたくさん残っているので、道内の道路案内標識にはアイヌ語地名を併記すると、そこからおもしろいツアーを考えることができるのではないか」と提案。小林さんも「ニュージーランドにも原住民のマオリ族が総人口の1割ちかく居住しています。近年、その人たちの復権運動も盛んで、政府刊行物などには英語とマオリ語がダブル表記されています。ニュージーランドは北海道と同じように人口密度の低い過疎の国なので、その過疎を売り物にするのを国家政策にしています。幸いというか、イギリスの植民地政策のおかげで工業生産が抑制されていたため空も水もあまり汚れていないので、きれいな自然を売り物にして、少数化分散型のツーリズムを進めています」とも語っていました。

全体セッションから集約した『アピール文』と必要事項

2日目は札幌市中央区の札幌市女性センターを会場にして、朝9時30分から夕方4時まで『全体セッション』です。

イメージ(市岡浩子さん)
市岡浩子さん

最初にJATAで『エコツーリズム・ハンドブック』の編集に携わった市岡浩子さんが、エコツーリズムについての考え方をアメリカ滞在中の経験などを踏まえて話しました。とくに『サステナブル・ツーリズム』の概念について述べ、「1980年代に示されたサステナブル・デベロップメント=Sustainable Development(将来の世代が享受する経済的・社会的利益を損なうことのない形で現在の世代が環境を利用していこうという考え方で、持続可能な開発と訳されています)の考え方が背景になっており、観光開発にも当てはまる考え方ではないだろうかと解説していました。

また、マスツーリズムとエコツーリズムは対極にあるとする考え方については「観光客を中心にする観光開発と資源を中心にした観光開発をしようとする発想の違いだろうと思います。消費者の満足度を大切に考えると同時に、倫理観と責任をもった資源の運用をしていくことがサステナブル・ツーリズムやエコ・ツーリズムの大きなキーポイントになると思います」と述べていました。

イメージ(会場の参加者からの質疑も活発に)
会場の参加者からの質疑も活発に

『全体セッション』の最初のテーマは「地域とのかかわり~資源をどう生かすか」。えりもシールクラブの石川朋子さんと、ニセコアドベンチャーセンター代表のロス・フィンドレーさんが話題提供者となってディスカッションを進めました。石川さんからは、ゼニガタアザラシという観光資源を地元産業の担い手である漁業者とのあいだで共生を実現している事例を、ロスさんからはニセコにはカヌーやラフティングなどで・コりをするツアー客がたくさん訪れている現状と自然への配慮、釣り人との関係などについての様子を聞き、質疑も活発でした。2つめのセッションは北海道自然体験学校NEOS代表・高木晴光さんの進行で「エコツーリズムと地域づくりの基礎」をテーマに、北海道庁の観光局観光振興課長・青木二郎さんと(株)北海道21世紀総合研究所主任研究員の伏島信治さん。3つめのセッションは「プログラムづくり・人づくり」、近畿ツーリスト・クラブツーリズムスポーツ交流課長の壱岐健一郎さん、ニセコアウトドアセンター代表・工藤達人さんが北海道全体に視点を置いたツーリズムの方向性などについて見解を述べ、活発な質疑応答が交わされていました。

概念づくりへ共通認識を求めワークショップで絞り込みへ

年が明けた1月24日には、札幌北区の北海道環境サポートセンターにふたたび集まり、『シンポジウムを終えて』のワークショップが開かれました。最初に、シンポジウムのときに積み上げられたディスカッションの内容を中心に集約された『アピール文』(前ページ参照)が紹介されました。

近年、地球環境の問題の重要性は世界的な共通認識になっており、この問題をツーリズムだけに限定してよいかという疑問も出ました。事実、この場にも札幌市内の保母さんや子ども会連絡協議会の関係者も参加しており、エコツーリズムを旅行がらみに限定せず、自然教育や自然体験などエコロジーの学びや遊びの場と考えているような人もおり、その立場によってまちまちな捉えかたをしている面があります。また「ツーリズム」という言葉になじみが薄く、「イズム=ism」という語が付け加えられているので堅苦しい主義主張をする場ではないかと考えている人が多いのではないか―という意見も多くありました。

これに対して、環境問題がきわめて大事な状況にあるということを、さらに共通認識として育てていくためには、これに自分の生活や考え方を重ね合わせていく“こだわり”も必要ではないかという意見が出され、「クオリティ・オブ・ライフをみんなで議論することで、リゾート・オブ・ライフについても考えることができるのではないか」という意見にうなずく人もありました。

ツーリズムは、地域の人や地場産業との結びつきを深め、地域に住む人たちのプラスになり、喜ばれるような旅行形態を創出するために、旅行に携わるものの立場から何ができるか、または地域に生活する人の立場としては何を感じ、何ができるかを模索していくことが大切です。また、シンポジウムの中では自然案内人(インタープリター)やネイチャーガイドについても、これからの旅行が地域に根ざしたきめ細やかさ、内容の深さと充実が求められるとすれば、インタープリターをはじめツアーにかかわるすべての分野での人材確保、そして養成と教育、それに伴う待遇の改善はぜひにも果たさなければならない課題です。そうしたなかで、海外のエコツーリズムの概念やガイドラインなどの情報を数多く収集し、それらをツーリズムの作り手だけのものとせずに、受け手にもわかりやすい形で提供してほしいという要望も出されていました。

自分たちが守る意義のあるガイドラインを定めたい

小野さんは、一連の議論を振り返って、「北海道にふさわしいエコツーリズムのガイドラインを、できるだけ早く設定することの必要性を感じています」と話します。

「北海道観光の問題点は、通過型観光であることです。いくつかの観光地は周遊するが、どこも一泊しかしないことが多いですね。そうではなくて、たとえばマスツアーなどで新千歳空港まで来たあと、オプションとして大雪山コースや日高・十勝コース、知床・あるいはオホーツクコース、日本海北部のオロロンラインから利尻・礼文コースなどに分散して滞在型旅行を楽しむ方法があるかもしれません」。

また、小野さんは「日本人にとって自然はお母さんで、何をしても許されるという甘えがあった」とも言います。母なる自然の懐深くに分け入り、その恵みの豊かさ、ぬくもりとやさしさとを静かに感じ取る楽しみ方をすることで、自然環境や動植物の生態系を壊すことの少ない生き方のあることを自分のなかに見つけだすことができるでしょう。

「私たちは、旅行の楽しみ方を自然環境や地域の文化を大切にする21世紀型の北海道らしいツーリズムに切り替えていく仕組みをつくりたいのです。そのためには、できるだけ早くモデルツアーを提示して実践してみたいですね。まだ手探りの状態であっても、それにみんなが参加してチェックし合うことで、少しずつでもレベルアップにつなげることができると思います」と話しています。


北海道のエコツーリズムを考える会 12/5・6シンポジウム アピール文
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私たち「北海道のエコツーリズムを考える会」が考える、北海道(らしい)(エコ)ツーリズムニは、以下のようなものです。

自然に負荷を与えずに、自然を楽しみ、自然を見る目を養えるもので、同時に、自然資源や文化歴史資源を持続的に利用するに計っているものである。また、先住民アイヌの文化に触れることによって、自然と人との関係を見直し、学ぶものである。

ツアーの形態としては、経済的裏付けがあることを前提とした、体験型、滞在型のものを中心とし、多様なニーズに応えられるものが必要である。特に北海道では、冬も定着できるものが望ましい。

さらに、未来を担う子どもの参加を重視した、環境教育の機会となるものである。それはまた、ライフスタイルを変える機会にもなり得る。

そして、地元とのつながりが生まれるもので、北海道の基盤産業である第1次産業とかかわるなどの形で、地域の振興にも結びつくものである。

こうした北海道(らしい)(エコ)ツーリズムを確立するためには、以下のようなものが必要になります。

自然資源を枯渇させないため、利用者・業者などに対してのガイドラインやルールをつくる必要がある。

同時に、環境容量や生態系などエコツーリズムに関する研究も必要である。

地元に根ざした案内人の存在と、その案内人が生活できるような支援をしていくことが必要である。

また、案内する人の質を高めるための人材養成システムを確立する必要がある。

さらに、人材やツーリズムの情報に関するネットワークをつくる必要がある。人づくり、システムづくりを充実させるための行政の支援も欠かせない。

以上を、今後取り組んで行く課題として、今回の「北海道のエコツーリズムを考える会」主催シンポジウム、『北海道ツーリズムって何だろう!?』のアピール文と致します。

1998年12月6日

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