ウェブマガジン カムイミンタラ

1990年01月号/第36号  [ずいそう]    

天気予報について
小島 修 (こじま おさむ ・ 日本気象協会北海道本部解説予報官)

テレビやラジオでおなじみの天気予報も、10年くらい前は1日に2回から3回と非常に少なかったことをご存じでしょうか。

いまや、いつでもどこかで天気予報が流れています。情報化社会の影響であり、また皆さんの天気に対する関心の高まりでもあります。

近年は、雲の動きをレーダーや宇宙から「ひまわり」が、地上では24時間、雨や風、気温などを観測するアメダス(地域気象観測綱)が天気の変化をさまざまな角度から私たちに届けてくれます。これにより、天気予報の技術や精度もかなり高くなってきました。しかし、皆さんからはある場所のある時間の天気や気温など、きめ細かな天気予報が求められるようになり、天気が仕事や生活にかなり関係するいま、予報の難しさを実感し、また、ハズれたときに悔しい思いをする今日この頃です。

私たち天気解説者は、各気象台で発表された予報をテレビやラジオを通して、皆さんにわかりやすく伝えなくてはいけません。気圧配置や予報を伝えていた昔から、最近は1時間に1ミリの雨は地面がぬれる程度、10ミリなら家に居て降っているのがわかり、水たまりができるなど、なるべくわかりやすく、また、その季節の移り変わりを冬囲いやダイコン干しなど、歳時記をまじえてお伝えしています。

たとえば、夏の土用はヨーロッパでは「犬の日」と言っていますが、日本ではおいしいウナギが食べたくて、お腹が“ギュー”と鳴るから「丑の日」なんです。わかってもらえますか。

これからもわかりやすく、ためになる?天気予報を伝えたいと思っています。でも、皆さんの住んでいる天気をいちばん知っているのは、あなたです。あなたも天気の予報官になって、雲の動きや風の変化から独自の予報を作ってみませんか。もっと天気が身近になると思いますよ。それを、そっと私に教えてください。

では、これを“テンキ”に、明るい未来が広がりますように?

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